ホストクラブの店内でタバコは吸える?加熱式と紙たばこのルール
ホストクラブの店内は、健康増進法と東京都の条例で原則禁煙です。お酒を飲みながら吸えるのは、加熱式たばこ専用の部屋か、喫煙目的店として認められる店だけ。紙たばこは飲食できない喫煙専用室で吸います。リキッド式の電子たばこは規制の対象外。歌舞伎町234店の案内を全部見て、喫煙のルールを書いていたのは5店(すべて「電子タバコのみ可」)。20歳未満の立ち入り、罰則、大阪など東京以外の違いまで。


ホストクラブの店内でタバコは吸える?——先に答え
・店内は、法律と都の条例で原則禁煙
・加熱式なら、専用の部屋で飲みながら吸える
・紙たばこは、飲食できない喫煙専用室で
・リキッドの電子たばこは、規制の対象外
・ルールを案内している店は、ほとんどない
「ホストクラブって、席でタバコを吸えるの?」「アイコスなら大丈夫?」——吸う人にとっては、行く前にいちばん気になるところです。
答えを先に書くと、ホストクラブの店内は原則禁煙です。吸えるのは、店が決まりに沿って設けた専用の部屋の中だけです。この記事では、健康増進法・同法施行令・東京都受動喫煙防止条例の条文と、厚生労働省・東京都の公式の説明、歌舞伎町の店の案内を全部見て確かめたことをもとに、どこで何が吸えるのかを整理します。
ホストクラブの店内は、原則禁煙
2020年4月に全面施行された改正健康増進法は、多くの人が利用する施設の屋内を、原則として禁煙にしました。
法律は施設を2つに分けています。学校・病院・行政機関の庁舎が「第一種施設」、それ以外の施設が「第二種施設」です。ホストクラブは学校でも病院でもないので、飲食店と同じ第二種施設にあたります(ホストクラブを名指しした国の文書は見つかりませんでしたが、条文の分け方からはこうなります)。第二種施設では、決められた部屋の外の屋内で吸うことはできません。
加熱式たばこも、法律では「喫煙」です。条文(第28条第2号)の「喫煙」には、たばこを加熱して煙(蒸気を含む)を出すことが含まれています。「アイコスなら席で吸える」とは、法律の上ではなりません。
リキッド式の電子たばこは、規制の対象外
一方で、たばこの葉を使わず、リキッドを加熱して蒸気を吸ういわゆる電子たばこ(VAPE)は、健康増進法と東京都の条例の規制の対象外です。法律がいう「たばこ」は、たばこ事業法の製造たばこ(紙巻き・葉巻・パイプ・水たばこ・加熱式など)だからです。東京都も公式のよくある質問で、電子たばこは加熱式たばことは別のもので、規制の対象外だと説明しています。
| 種類 | 例 | 法律・条例の規制 |
|---|---|---|
| 紙巻きたばこ | 一般的なたばこ | 対象 |
| 加熱式たばこ | アイコス・グロー・プルーム など | 対象(専用の部屋なら飲食しながら吸える) |
| 電子たばこ | たばこの葉を使わないリキッド式 | 対象外 |
店が「電子タバコのみ可」と書いているとき、それがリキッド式のことか、加熱式のことかで意味が変わります。迷ったら、自分が持っているものを見せて店に聞くのが確実です。
吸えるのは、店が設けた専用の部屋だけ
店が設けられる部屋は4種類あり、部屋によって吸えるものと、飲食できるかが違います(健康増進法第33条・第35条、改正法附則第2条・第3条、厚生労働省「各種喫煙室早わかり」)。
| 部屋 | 吸えるもの | 部屋の中で飲食 | 東京のホストクラブでは |
|---|---|---|---|
| 喫煙専用室 | 紙たばこ・加熱式 | できない | 設けられる |
| 加熱式たばこ専用喫煙室 | 加熱式だけ | できる | 設けられる |
| 喫煙可能室 | 紙たばこ・加熱式 | できる | 2020年4月より前からある小さな店で、従業員がいない店だけ |
| 喫煙目的室 | 紙たばこ・加熱式 | できる(主食は除く) | 「喫煙目的店」の要件を満たす店だけ(下で説明) |
喫煙可能室を設けられるのは、国の法律でも、2020年4月より前からある小さな店(資本金5,000万円以下・客席100㎡以下。法律では「既存特定飲食提供施設」)だけです。それより新しい店は、国の法律の時点で設けられません。さらに東京都の条例は、こうした古い小さな店でも、従業員(労働基準法の労働者)がいれば喫煙可能室を認めていません(条例第2条第6号・第8条)。
ここから、喫煙目的店でない東京のホストクラブで考えられるのは次のとおりです。
- 加熱式たばこ:店が「加熱式たばこ専用喫煙室」を設けていれば、その部屋の中で、お酒を飲みながら吸える
- 紙たばこ:店が「喫煙専用室」を設けていれば、その部屋で吸える。ただし、そこへグラスを持ち込んで飲むことはできない。席に戻ってから飲む形になる
- どちらの部屋もない店:店内では吸えない。外の喫煙所へ行く
ホストの雇い方は店ごとに違い、歩合で働くホストが条例でいう「従業員」にあたるかを示した公式の解釈は見つかりませんでした。店がどの部屋を設けているかは、店に聞くのが確実です。
「喫煙目的店」なら、店全体で吸える。ただしホストクラブが当たるかは不明
もう1つ、法律には「喫煙目的施設」という区分があります。シガーバーのように、たばこを吸う場所を出すことが主な目的の店です。この区分の店は、店の全部を「喫煙目的室」にでき、紙たばこも加熱式も、お酒を飲みながら吸えます。
飲食をする店がこの区分に入る要件は、健康増進法施行令の第4条第2号で決まっています。
- たばこを販売する人が、お客様に対面でたばこを売っていること(東京都の案内では、たばこの小売販売業の許可か、出張販売の許可を受けていること)
- 喫煙の場所を出すことを主な目的にしていること
- 主食(ご飯もの・パン・麺・ピザなど)を主に出していないこと
ここで問題になるのが「主な目的」です。厚生労働省は、飲食や遊技など、喫煙以外のことを主な目的とする施設は、喫煙目的施設にあたらないと説明しています。ホストクラブは接待をして飲食を出す店なので、この区分に入れるのかは、はっきりしません。ホストクラブやキャバクラを名指しして、入れる・入れないを示した国や東京都の文書は見つかりませんでした。
なお、厚生労働省は2026年7月、喫煙目的施設を届け出制にする方針を示しました。食事を出す店が、要件を満たさないまま喫煙目的施設として営業している例があるためと報じられています(日本経済新聞・2026年7月9日)。
喫煙目的店として営業している店には、決まりがあります。
- 店の入口に、喫煙目的室がある施設だと示す標識を出す
- 広告や宣伝で、喫煙目的室がある施設だと明らかにする
- 20歳未満は喫煙目的室に入れない。店の全部が喫煙目的室なら、20歳未満はその店に入れない
店内のどの席でも紙たばこを吸っている店があったら、入口の標識を見てください。喫煙目的室の標識が出ていなければ、法律の上では吸えない場所です。
歌舞伎町の店は、どう案内している?
ホスト情報サイト「ホスホス」で、地域が歌舞伎町になっている234店すべての「システム&お店紹介」ページを見て、喫煙についての書き方を数えました(2026年10月23日時点)。調べた語は、禁煙・喫煙・タバコ・たばこ・煙草・加熱式・アイコス・IQOS・電子タバコ・シーシャです。
店内の喫煙のルールを書いていたのは、234店のうち5店だけでした。5店とも、紙たばこは禁煙で電子タバコだけ使える、という書き方です。
| 店 | 案内の文言(要旨) |
|---|---|
| FUYUTSUKI -DeZon- | 紙タバコの喫煙はご遠慮いただいている。電子タバコのみ利用できる |
| ROYAL COLLECTION TOKYO | 電子タバコのみ喫煙可能 |
| FUYUTSUKI -P2- | 紙タバコ禁煙への協力をお願いしている。電子タバコのみ喫煙可能 |
| CANDYS FILM | 同じ文言 |
| L2 | 同じ文言 |
「電子タバコ」がリキッド式(規制の対象外)のことなのか、アイコスのような加熱式たばこ(専用の部屋が要る)のことなのかまでは、ページからは分かりません。あわせて、歌舞伎町の店の公式サイト29件も見ましたが、喫煙のルールを書いている店は見つかりませんでした。
つまり、ほとんどの店は、喫煙のルールを前もって案内していません。「全席禁煙」「喫煙ブースあり」と書いた店も、見た範囲にはありませんでした。吸う人は、予約のときに「店内でタバコは吸えますか」「加熱式は使えますか」と聞いておくと安心です。
ホスランクに載っている店では、次の2店が「電子タバコのみ」と案内しています。
入口の標識でも見分けられる
喫煙の部屋を設けた店は、その部屋の出入口と、店の入口の2か所に標識を出す決まりがあります(健康増進法第33条第2項・第3項)。さらに東京都の条例は、喫煙の部屋の標識を出していない飲食店にも、入口に「喫煙できる場所がない」ことを示す標識を求めています(条例第9条第3項)。
標識の見本は、厚生労働省の受動喫煙対策のサイトに載っています。入口で標識を見れば、その店に喫煙の部屋があるかどうかの目安になります。
20歳未満は、喫煙の部屋に入れない
喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室・喫煙可能室・喫煙目的室には、20歳未満は入れません(健康増進法第33条第5項・第35条第7項ほか)。お客様も、働く人も同じです。厚生労働省は、たばこを吸わない目的で入るのも一切禁止だとしています。部屋の出入口の標識にも、20歳未満は立ち入り禁止と書く決まりです。
決まりを破ったらどうなる?
罰は刑事罰ではなく、過料(行政上のお金の支払い)です。国の法律(健康増進法第76条・第77条)では次のとおりです。
| 誰が | 何をしたら | 過料 |
|---|---|---|
| 吸った人 | 禁止の場所で吸い、知事の中止・退出の命令にも従わない | 30万円以下 |
| 店 | 禁止の場所に灰皿などを置き、勧告のあとの撤去の命令にも従わない | 50万円以下 |
| 店 | 入口に決められた標識を出さない・標識を勝手に外す | 50万円以下 |
吸った人にいきなり過料がかかるのではなく、命令に従わなかったときに初めて対象になります。
東京都の条例にも過料(吸った人は3万円以下、店は5万円以下)がありますが、対象は2020年4月より前からある小さな店(既存特定飲食提供施設)での違反に限られます。加熱式たばこについては、吸った人への条例の過料は当分のあいだ使わないことになっています(条例附則第2条)。
店の外で吸うなら
店内で吸えないときは、外の喫煙所へ行くことになります。ただ、歌舞伎町のある新宿区は、区内全域で路上喫煙を禁止しています。2025年7月からは、加熱式たばこも路上では禁止になりました。
歌舞伎町で吸える公衆喫煙所の場所と、夜中に開いているところは歌舞伎町の喫煙所にまとめています。
大阪・札幌など、東京以外では
ルールの土台は全国共通の健康増進法ですが、自治体の条例で上乗せがあります。
| 地域 | 東京と違うところ |
|---|---|
| 大阪府(ミナミ) | 2025年4月から、客席が30㎡を超える飲食店は原則屋内禁煙。喫煙可能室を設けられるかに、従業員の有無は条件に入っていない(従業員を雇う店は禁煙に努める) |
| 北海道(すすきの) | 店内を禁煙にした飲食店に、入口の表示を求めている(違反しても行政指導だけ) |
| 神奈川県(横浜) | 2024年4月に、全面禁煙の店に求めていた禁煙の標識の義務がなくなった |
| 愛知県(名古屋) | 県のページで確かめられたのは、国の法律どおりのルール |
どの地域でも、店によって設けている部屋は違います。行く前に店に聞くのがいちばん確実です。
よくある質問
アイコスなどの加熱式なら、席で吸えますか?
店が「加熱式たばこ専用喫煙室」を設けていれば、その部屋の中ではお酒を飲みながら吸えます。部屋の外の席で吸うことは、法律の上ではできません。席がその部屋の中にあるかどうかは、店に聞いてください。
紙たばこは吸えますか?
店が「喫煙専用室」を設けていれば、その部屋で吸えます。ただし、喫煙専用室の中では飲食ができません。お酒を飲む席で紙たばこを吸えるのは、喫煙目的店として営業している店か、2020年4月より前からある従業員のいない小さな店だけです。ホストクラブが喫煙目的店にあたるかは、国や都が示していません。
リキッドの電子たばこ(VAPE)なら吸えますか?
たばこの葉を使わないリキッド式の電子たばこは、健康増進法と東京都の条例の規制の対象外です。ただ、店が独自に禁止していることもあるので、使う前に店に聞いてください。
吸えるかどうか、前もって知る方法はありますか?
案内に書いている店はほとんどありません(歌舞伎町234店のうち5店)。予約のときに店へ聞くのが確実です。店の入口には、喫煙の部屋があるか、喫煙できる場所がないかを示す標識が出ています。
19歳の友達は、喫煙の部屋についてきてもいいですか?
入れません。喫煙の部屋には、20歳未満はお客様も働く人も入れず、吸わない目的でも立ち入りは禁止です。
店の外で吸ってから戻っていいですか?
店のルールしだいなので、担当か内勤に伝えてから出てください。歌舞伎町の路上は加熱式も含めて喫煙禁止なので、吸うのは公衆喫煙所です。
まとめ
- ホストクラブの店内は、健康増進法と東京都の条例で原則禁煙。加熱式たばこも法律上は「喫煙」
- リキッド式の電子たばこ(VAPE)は、法律・条例の規制の対象外
- 加熱式は、店が設けた加熱式たばこ専用喫煙室の中なら、お酒を飲みながら吸える
- 紙たばこは、喫煙専用室の中だけ。その部屋では飲食できない
- 東京の条例は、従業員がいる店に喫煙可能室を認めていない
- 店全体で吸える「喫煙目的店」は、喫煙が主な目的の店向け。ホストクラブが当たるかは示されていない
- 歌舞伎町234店のうち、喫煙のルールを案内していたのは5店だけ。予約のときに聞くのが確実
- 喫煙の部屋には20歳未満は入れない
出典:健康増進法(第28条・第29条・第32条・第33条・第35条・第76〜78条)、健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)附則第2条〜第4条、健康増進法施行令第4条(いずれもe-Gov法令検索)、東京都受動喫煙防止条例(第2条・第8条・第9条・第15〜17条・附則第2条、東京都例規集)、東京都保健医療局「飲食店の皆様へ」「シガーバー(スナック)・たばこ販売店の特例」、とうきょう健康ステーション「よくある質問」(電子たばこは規制の対象外)、厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙」(各種喫煙室・標識)、日本経済新聞(2026年7月9日・喫煙目的施設の届け出制)、新宿区「路上喫煙禁止」(2025年7月から加熱式も対象)、大阪府・大阪市・北海道・神奈川県・愛知県の受動喫煙対策のページ、ホスホスの歌舞伎町234店の「システム&お店紹介」ページ(2026年10月23日に全店を確認)。

歌舞伎町で4年間ホストとして勤務した後、2024年に引退(31歳)。現役時代は中堅プレイヤーとして業界の光と影を経験。現在はナイトエンタメ業界のライターとして、元内部の視点から冷静に業界を分析している。
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この記事は ホスランクの編集方針 に基づき、業界経験者によって執筆されています。
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