ホストの出禁とは|原因と解除の条件・予約が通らない理由
出禁は店単位の措置で、担当一人との関係ではありません。そして「予約が通らない=出禁」でもありません。掲載98店のうち29店は予約枠を出しておらず、66店に定休、53店に月次の定休、31店が入店の締め切りを動かしています。確かめる順番と、刑法130条の中身、解除に近づく条件まで。


出禁(できん)とは——店が入店を断る、いちばん重い対応です
「出禁(できん)」は「出入り禁止」の略で、店が「この客にはもう来てほしくない」と判断したときに取る、いちばん重い対応です。入店そのものを断られるため、指名していたホストに会うことも、店内で飲むこともできなくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | できん(出入り禁止の略) |
| 意味 | 特定の客が、その店への入店を断られること |
| 範囲 | 原則その店舗のみ。系列で共有されることもあります |
| 主な原因 | 泥酔・売掛の未払い・暴力・SNSでの暴露・他客とのトラブル |
| 無理に入ると | 建造物侵入罪・不退去罪(どちらも刑法130条) |
| 自然に解ける? | 解けません。店が判断しない限り続きます |
ただし、この記事でいちばん伝えたいのは別のことです。
「予約が通らない」を出禁のサインだと考えないでください。ホスランクに掲載している98店の設定を数えると、予約が通らない理由は出禁のほかに少なくとも4つあります。
この記事で数字を出しているのは、ホスランクのデータベースで実際に数えたものだけです。条文はe-Gov法令検索で確認しました。「出禁の件数がいちばん多いのは◯◯」といった、出どころをたどれない数字は書きません。
予約が通らないのは、たいてい出禁ではありません
上から順に確かめてください。
1.その店は、予約を受けていますか。掲載98店のうち29店は、そもそも予約枠を1つも出していません(歌舞伎町でも77店中15店)。営業はしていても、ホスランクからの予約に対応していない状態です。
2.その曜日は、定休ではありませんか。週に1日以上の定休がある店が66店(歌舞伎町60店)。内訳は火曜21店・木曜19店・水曜11店・金曜10店・月曜6店です。
土曜と日曜に定休を置いている店は、1店もありません。つまり火曜や木曜に通らないなら、まず定休を疑ってください。逆に土日に通らないなら、定休ではない別の理由です。
3.毎月◯日の休みに当たっていませんか。曜日とは別に、月次の定休を持つ店が53店あります。毎月1日が多く見られます。
4.入店の締め切りを過ぎていませんか。新規の入店を受ける締め切りは掲載98店すべてにあります。既定は閉店の1時間前で、自分で動かしているのが31店(歌舞伎町26店)。そのうち16店は23時台で締め切ります。0時まで営業していても、入店は23時まで、ということがあります。
5.90日以内に、同じ店へ行っていませんか。ホスランクからの再予約は、同じ店に来店したあと90日あきます。これは新しい客を送るための仕組みで、出禁とはまったく関係ありません。2回目以降は、お店へ直接ご予約ください。
ここまで全部あてはまらないなら、店に電話して空席を聞くのが確実です。満席なら「本日は満席です」と言われますし、出禁なら理由は聞けなくても入店は明確に断られます。
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火曜定休・入店は23:00まで。19時開店で初回3,000円
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水曜定休・入店は22:00まで。締め切りが早い店の例
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出禁になる主な原因
店ごとに線引きが違うので、「これをしたら必ず出禁」という共通の基準はありません。よく挙げられるのは次のような行為です。
泥酔して暴れる。大声を出す、物を壊す、よその卓に絡む。周りの客の時間を台無しにする行為です。
売掛(ツケ)の未払い。期日を過ぎても払わず連絡も取れなくなれば、担当が立て替えることになり、店との信頼が崩れます(売掛の仕組みとリスク)。
ホストやスタッフへの暴力・つきまとい。店外でのストーカー行為や過度な干渉も含まれます。
店やホストの内情をSNSで公開する。源氏名や本名、他の客の情報、トラブルの経緯など。1件で出禁に直結することがあります。
他客とのトラブル。店内での口論、他客の担当へのちょっかいなど、店内の秩序を乱す行為です。
いきなり出禁になることは多くありません。たいていは痛客(いたきゃく)——スタッフや他の客から煙たがられる客——として扱われる段階があり、それでも改善が見られないときに最終手段として出禁へ進みます。
明文化された規則というより、店長や黒服の判断で運用されます。「次回からはご遠慮ください」と口頭やLINEで伝えられることもあれば、はっきり告げられないこともあります。
出禁なのに店へ行くとどうなるか
断られたあとに無理に入ろうとした場合の話です。ここは条文で確かめました。
刑法130条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
建造物侵入と不退去は、どちらも同じ130条です。無理に立ち入れば前半に、退去を求められても出ていかなければ後半にあたります。罰は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。
さらに、店内で大声を出して営業を妨げれば刑法234条の威力業務妨害(233条の例により3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)、スタッフに謝罪や撤回を強く迫れば刑法223条の強要罪(3年以下の拘禁刑)にあたることがあります。
店には誰を入れるかを決める権利があり、出禁はその意思表示です。断られても引き下がれば、それ以上の問題にはなりません。こじれるのは、そこから先に進んだ場合だけです。
解除できるのか
自然に消えることはありません。店が「もう大丈夫です」と判断しない限り続きます。
それでも、解ける可能性はゼロではありません。店によっては、時間が経って状況が落ち着いたころに誠実な謝罪があれば、再来店を認めることがあります。
| 近づく要素 | 中身 |
|---|---|
| 誠意ある謝罪 | その場の口約束より、反省と再発防止を文章にするほうが届きます |
| 時間を置く | 店側の感情が落ち着くまで、最低でも数か月は空けるのが現実的です |
| 具体的な再発防止 | 「お酒は控える」「売掛は作らない」など、中身のある約束とセットで |
ただし悪質と受け取られた場合や、グループ全体で情報が共有された場合は、解除はかなり難しくなります。このあたりは店とグループの方針しだいなので、断定はできません。
出禁は、担当との関係が切れたわけではありません
出禁は店単位の措置で、特定のホスト一人を狙ったものではありません。ここを取り違えると、必要のない落ち込み方をします。
担当を変えたい、という話も別枠です。ホストクラブには一度決めた担当を基本的に変えない永久指名という慣習があり、変えたいときは店に相談する「指名替え」という形を取ります。相談すれば対応してもらえます。出禁にはなりません。
ホスト本人が出禁の対象になることもあります。店のルール違反や客との重大なトラブルで、系列まで含めて出入りを止められるケースです。客側からは見えにくい構造ですが、業界内では珍しくありません。
出禁を告げられたら
その場で食い下がったり、感情的に反論したりするのは逆効果です。
1.原因を整理する。売掛なら未払い分の確認、SNSなら投稿の削除、言動なら振り返り。
2.時間を置く。すぐに連絡せず、最低でも数か月は空けます。
3.謝罪の文章を用意する。感情が整理できてから、反省と再発防止策をまとめます。
恥ずかしさで頭が真っ白になるかもしれません。ただ、出禁は人格を否定されたわけではありません。その店とのいまの関係が、一度切れただけです。
時間を置いて向き合うか、別の店で新しい関係を築くか。道は一つではありません。深刻なトラブルになりそうならホストクラブのトラブル事例集も読んでおいてください。
そもそも出禁にならない通い方
出禁になる人の多くは、特別なことをしたわけではなく、無理をした結果としてそうなっています。
- 払える範囲で飲む
- 売掛は作らない
- 飲みすぎない
- スタッフやヘルプにも敬意を持って接する
- 店や他の客の情報をSNSに出さない
当たり前のようでいて、これができていれば出禁とは縁なく通えます。予算の決め方は使いすぎ・貢ぎすぎを止めるに、1回いくらかかるかはホストクラブの料金完全ガイドにまとめています。
よくある質問
予約が通らないのは出禁だからですか
たいていは違います。掲載98店のうち29店はそもそも予約枠を出しておらず、66店に週1日以上の定休、53店に月次の定休、31店は入店の締め切りを既定より動かしています。前半の5項目を順に確かめてください。
出禁は他の店にも伝わりますか
原則はその店舗だけです。ただし同じグループ内では情報が共有されることがあり、悪質なケースでは系列の別店舗にも影響することがあります。
出禁になった店に、こっそり行ってもばれませんか
おすすめしません。入店を断られるだけで済めばいいですが、無理に入ったり居座ったりすれば刑法130条にあたります。顔や経緯は店内で共有されているため、気づかれないことはまずありません。
出禁かどうか、どうやって確かめますか
店に電話するのがいちばん確実です。予約が通らないだけでは判断できません。満席なら満席だと言われますし、出禁なら入店は明確に断られます。
痛客と出禁はどう違いますか
痛客は「煙たがられている」という状態で、まだ来店はできます。それが改善されないと、入店そのものを断る出禁へ進むことがあります。痛客は出禁の手前の段階と考えてください。
担当だけ変えたいのですが、出禁になりますか
なりません。担当の変更は「指名替え」という別の話で、店に相談すれば対応してもらえます(永久指名)。
担当ホストが出禁の判断に関わりますか
関わることが多いです。担当が申し出るケースも、逆に「もう一度チャンスを」と擁護するケースもあります。最終判断は店側です。
別のグループの店なら行けますか
原則は行けます。ただし業界内のつながりで情報が回ることはあり得ます。引きずるより、別の店で新しく始めるほうが現実的です。
まとめ
- 出禁(できん)は「出入り禁止」の略で、店単位の措置。担当一人との関係ではありません
- 「予約が通らない=出禁」ではありません。掲載98店のうち29店は予約枠を出しておらず、66店に定休、53店に月次の定休、31店が入店の締め切りを動かしています
- 土日に定休の店は0店。火曜21店・木曜19店に集まっています
- ホスランクからの再予約は来店後90日あきます。出禁とは関係ありません
- 確かめるなら店に電話。予約が通らないだけでは判断できません
- 断られたあと無理に入ると刑法130条(3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)
- 自然解除はありません。誠意ある謝罪と時間と再発防止で解けることもありますが、悪質だと難しいです
- 出禁は人格の否定ではありません。無理をせず払える範囲で通えば、縁のない言葉です
この記事で使った数字と条文
- 掲載98店(歌舞伎町77店)の予約枠・定休・入店の締め切りの設定は、ホスランクのデータベースを2026年9月27日に集計しました
- 再予約の90日ルールは、ホスランクの予約システムの仕様です(来店が確定した予約が対象)
- 刑法130条・223条・233条・234条/e-Gov法令検索
- 出禁の件数や理由の内訳を示す統計は確認できませんでした。この記事では「いちばん多い原因」を書いていません
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関連ガイド
- 痛客とは — 出禁の手前の段階
- 売掛の仕組みとリスク — 出禁の原因になりやすいもの
- 永久指名 — 担当を変えたいときの話
- ホストクラブのトラブル事例集 — こじれたときの対処
- 使いすぎ・貢ぎすぎを止める — 無理をしない通い方
- ホスト業界用語集 — 用語の全体像

歌舞伎町歴6年、年間50店舗を回るフリーライター(30歳)。過去に売掛で痛い経験をしたからこそ、今は「賢く楽しむ」がテーマ。大手グループから個人店まで知り尽くした歌舞伎町の生き字引。
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この記事は ホスランクの編集方針 に基づき、業界経験者によって執筆されています。
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